ニュージーランドでの生活

クライストチャーチ(南極に行く船が最後に給油する地、ニュージーランド)に永住。 日常を書く

至福のひと時

貧乏性で且つ めんどくさがりやの私は 顔を洗うって言う習慣が つい最近までなかった。 顔はシャワーをする時についでに洗えばそれでいい! ってのが 通常。 
が つい最近 ”顔を洗う” ってのが それも ”お湯”で洗うってのが すごい事なのだ〜〜!! ってのを発見。

まず なぜに顔を洗わないか? 洗面所がない。 歯ブラシもキッチンの所でちょちょっとやってお終い。 ”自分の場所” ってのが ないのだ。

自分の家を持ちつつ でも 一人ではないから・・・ つまり 設備を共有する・・つまり 夫と設備を共有する事は つまりは 夫の色で染まってしまっている設備で・・ そこで 私は のんびりと自分のひと時を持つって言う気分にはなれないのだ・・・。 悲しいが・・・仕方がない。

人生60年 今の今まで 自分のと家 そして 自分の設備として使用した事は一度もない。 で つい最近 自分の”設備” つまり 自分自身の空間って物をゲットした。

その空間は本当に小さく ささやかな物ではあるが 立派に”自分だけの空間”なのだ。

自分だけしか使わない設備って物が どんなに自分を安心させ 自分自身の物として使用する気分になれるのかが その空間を得てみて やっと 自覚できている。

つまり 生まれて初めて 自分自身しか使わない空間をゲットしたのだ。

で ニュージーランドって国はほとんどタンク式給湯システム。 タンクでお湯を沸かしておいて それを 一日分溜めておいたのを使うってのが 通常。

だから 寒い日なんか 蛇口に出てくるお湯の遅い事! つまり 長い配管が全部温まらない限りお湯ってのは出て来ない。

貧乏性の私は 20年以上住んでいるこの国ニュージーランドで そこまで わざわざ顔を洗う為に待った事は一度もなかった。

が!! 最近は 待つのだ。

蛇口から冷たい水 待ちに待って やっと ぬるま湯 そして やがてお湯って奴が出てくる。 そして洗面器に栓をして 溜める。 

洗面器にはったお湯に 顔をちかづけると 湯気が乾いた顔の皮膚に優しい。

手を手首まで お湯に漬けると 体全体がしびれるように ぬくもって来る。 

昔の火鉢は手首を暖めると体全体もぬくもるから 暖を取るにはもってこいの暖房器具だと とこかに書いてあったが・・・ 然り! 暖かいお湯に手首までつけると 本当に体全体から 痺れる。

ゆっくりと 顔にそのお湯を持って来ると 体全体の神経の全部がそこに集中しているのも感じる。 ほんの手と顔だけなのに・・・ほんの一分だけの洗顔なのに・・・。 洗顔後 タオルに顔をうずめた時は まるで 湯上りの気分。

向田邦子の小説 ”あ・うん”の中に 彼女の父親は 夜使った湯たんぽのお湯を朝の洗顔に使用したそうな・・・。 彼女は 父親が洗顔する間 彼の寝巻きの袂を濡れないように 後ろから持っている仕事だったと書いてあった。

そうか〜〜 向田邦子の父親も 私と同じ 至福のひと時を持っていたのだな〜〜・・・。 私は長い袂はないから 誰も持ってくれてはいないけど・・・ 凄く幸せな気分になれるのは 同じだ〜〜・・・。
  
  1. 2010/12/30(木) 06:46:27|
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豪華ホテル?

最近 数か月 胃の激痛で床を転げまわる発作が連続していた。 その度に深夜病院でモルヒネをたんまり盛ってもらった・・・。 

もしかして 薬中毒になるのか〜〜 んな訳ないよな〜・・・ と ビビりまくっていたが・・・。

超音波検査で 胆嚢に砂利がたんまり。 結果胆嚢切除 即決!

普通手術となると 数か月待ちってのが この国である。 が! 昨日医者にあったら 明日が空いてるから 明日しよう! とのたまう・・・

は〜?! ちょ! ちょっと待て!
あたしゃ〜 クリスマスから年末年始にかけて 仕事が目白押しで 猫の手も借りたいとこなのに・・・!

と 思ったが・・・ 私だけではなく 世間もそういう奴ばかりで よりにもよって クリスマス前に何も好みこのんで 手術をして ベッドに縛り付けられたがる奴はいないよな〜〜・・・ だから 明日 つまり クリスマス・イブに 医者の手術日が空いてるんだよな〜。

それに 忙しい私と言っても あの床を転げまわる激痛発作がいつ襲うのかわからない有様・・・。 

つまり爆弾を抱えて 時を過ごしてもな〜んもならんのだから・・・。

お〜し!! やるべ〜! やってやろうじゃ〜ないか! クリスマスと年末年始は 痛みと戦いつつ ベッドに縛り付けられて 過ごしてやろ〜じゃ〜ないか〜!

って たんかを切って 今日の手術に至っている。 つまり 今は 術後 つまり 術直後。

なのに ネット環境抜群!

この豪華病室には 衛星放送で何十種類のチャンネルが観れるテレビがある。我が家は 3チャンネルしかない環境・・・。そんなんで何十年も過ごしている私からあみれば 映画館にいるのも同然。

それも リモート一つで もう 何をどうチャンネルを選んでも おもろそう!

豪華個室の病室には また 豪華なバスルーム。 フワフワ 真っ白タオル類も ホテルのように 畳んでおいてある。

トイレットペーパーだって 我が家のカラカラ回って カシカシしている紙とる違って ここではフワフワティッシュがふんだんにおいてある。

なんでもかんでも 豪華 且つふんだん!

食事に関しては リクエストフォームってやつがある。
そのリクエストフォームに 自分の食べたい物に印をつけるであるが・・・。

朝昼晩とメニューは別れていて・・・ それも それぞれの食事に膨大な選ぶ項目がある。

例えば・・・

★まず ジュースから 何種類のジュースがある。

★オントレーも 3〜4種類から選べる。

★メイン・ディッシュも 魚だの 肉だの 色々ある。

★パンの種類も いろんな穀物が入ってる物だの クロワッサンだの 6〜7種類

★そして そのパンにつけるジャムにいたるや 反種類物のジャムが選べる そして ハニー だの マーマイトだの・・・ ま〜 いろんな種類の物がありすぎて・・・ 嬉しすぎる!

★デザートがまた どっかの高級レストランから 取り寄せるんか〜 ってな代物が メニューにあるから あらま! どうしましょう! って事になる。

★最後は お茶。 お茶と言っても ま〜 コーヒー 紅茶 以外にも 沢山のチョイスがあるので カフェイン全く駄目な私でも 色々選べる。 日本の緑茶だってある。 エライ! が・・・ 緑茶は カフェインが入っているから 私のチョイスではない。

それらが 3食分あるのだから たった一日分なのに 膨大数のなかから 選ぶ事になる。 それに なんと! それぞれの項目から 一つだけ選ぶのではなく・・・ 何個選んでもいいのだ!

ってか そんな事は 書いてないけど・・・ 「一個だけえらべ」 とか言う条件は どこにも書いてないから 何個選んでもいいのだ〜〜!

これって なんか 天国的な すごい うれしい事柄ではないか〜〜!

そして それぞれの食い物に いろんなマークがついているではないか!
なんだ?! これは・・・ と またまた じっくり見てみたら 

#は グルテンフリー とか
★は ベジタリアン料理とか・・・
❤は デイリー・フリーとか

ま〜いたれり つくせりのサービス満点なのである。

しかし! 待てよ・・・ あたしゃ〜 手術をして その直後にそんなに食えるか? 

ましてや 一つの消化器官の手術だぜぃ! そして その臓器の完全切除だぜぃ! う〜ん・・・。

しかしだ・・・ そんな事は どうでもいいのだ・・・ 取りあえず お盆に乗せて それらが並ぶ 食事を 見るだけでも あたしゃ〜 本望だぜぃ!

うん! そうなのだ・・・。 それらを たとえ 口にできなくて とほほ・・・になる方が もしかしたらもっと さみしくて 辛いかも・・? とも 思う・・・。

が! あくまでも 食い意地のはっている あたしゃ〜 それでも いいのだ! 欲しいのだ!

ってことで そうとうの時間をかけて その食い物リストとじっくりにらめっこをして 完璧に記入し終えました。

そして 何よりも 豪華だな〜〜・・って思ったのが 壁の一面が 全部 窓ガラスなのだ。

すぐ外が こんもりとした森のような公園。 沢山の木々の緑は 太陽の光で キラキラと鮮やかだ。 遠くの山々も 蒼い。 いつものニュージーランドの空は 大きく広がって 白い雲は まさに真綿色をしている。

生きてるから これが 美しく そして いとおしくも感じる。

簡単な臓器の切除手術ではあるが・・・ 麻酔医がちょっと間違えば命を落とす事だって 多いにあり得る。
日本の方に忙しく 多数の患者の手術をあわただしくやっていると 麻酔薬量を間違って患者を死なす事も少なくないと聞く。


万が一・・・の事態が おこれば この美しい景色も 私にとっては最後かも・・? と チラと脳裏をかすめる。

そして 術後 我が部屋に戻って来た時は 真綿色していた雲は 太陽の光で オレンジ色に染まっていた。

もうちょっと まだ 生きれるチャンスをもらえたと 思っただけで 感動的にうれしかった。
  1. 2010/12/23(木) 22:46:43|
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